ご愛用のイスやテーブルの張替え・リペアのご相談を頂くことがあります。
ちいさなお仕事ですが、僕にとって実はとてもうれしい仕事だったりするのです。
高度経済成長期を経て、スクラップ&ビルドの慣習は建築物だけにとどまらず、調度品においても、捨てては新品を買い換えるのが当然のような価値観が蔓延してきました。
そんな環境のなかで、なんとなく、生活者のメンタリティも荒んできたのではないかと思うのです。
とりわけ家具に関しては、デフレが恒常的になり、修理する費用と同等の
金額で新品が買えたりするので、ある意味 しかたないことなのかもしれません。
今回のご依頼は、新たにダイニングテーブルをお買い求められ、テーブルにあわせてイスを買い換えようか、それとも10余年愛用されたダイニングチェアを
リペアしてお使いになるかとお考えのお客様からのご相談です。
お手持ちのイスは無垢のオーク材をしっかりと組み込み、座面は本革張、木部の塗装など
だいぶ傷んでいましたが
リペアすればぜったい素敵なイスに生まれかわると直感しました。
そのイス自身の歴史、そして家族の思い出がいっぱい詰まったそのイスは、もはやただの“モノ”ではなく、
手直しをする職人にとっても、新品を製作するのとは違った緊張感でイスに向き合うのだとのこと。
3週間ほどお預かりしてご家族のもとに戻った6脚のイスたちは、
座面もモスグリーンの革張りにイメージチェンジ、さらにテーブルとベストな高さに調整し、新しいテーブルと色をあわせて塗り直され、
(かつてお子さん(?)が付けた小さな脚のキズだけはちょっぴり垣間見えて・・)
まるで久々にご主人に再開したペットのように目を輝かせ、わくわくと踊っているように見えたのです。
これから再び10余年、ご家族に愛されて、想い出を積み重ねて行くことでしょう。
素敵なご家族にめぐりあえた、シアワセなイスたちのお話しでした。
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(ちなみに、古いダイニングテーブルも処分されることなく、サイズと色を変えて息子さんご夫婦のお宅に嫁いで行きました。)
14 Apr. 2007



